『火垂るの墓』は香櫨園浜がモデル|『火垂るの墓』が放送禁止って本当??

西宮市ニュース

こんにちは。

西宮人~Nishinomiyan~をご覧いただきありがとうございます。

たーぼーです。

戦争映画の大作『火垂るの墓』をネットで検索してみると「放送禁止」と続くんですよね。確かに昔は夏になると地上波で放送されていた記憶があるのですが(CMも含め)近年あまり見かけなくなったような気がします。

実際に『火垂るの墓』が放送禁止になっているのかどうか調べてみました。

戦争映画の大作『火垂るの墓』簡単に説明

『火垂るの墓』は1988年に野坂昭如さんの短編小説が原作で、あの『となりのトトロ』と同時上映されました。野坂昭如さんの戦時中の実話を基に書かれた作品。

舞台は第二次世界大戦前後の神戸市と西宮市。

親を亡くした14歳の兄(清太)と4歳の妹(節子)が終戦前後の混乱の中を必死で生き抜こうとするが、その思いも叶わずに栄養失調で悲劇的な死を迎えていく姿を描いた物語。

Wikipedia

スタジオジブリの作品としては珍しくハッピーエンドではなくバッドエンドで終わるこの映画。涙なくして見ることはできません。

『火垂るの墓』もモデルとなっている香櫨園浜を散策

香櫨園浜を散策

映画では、空襲で神戸市東灘区にあった家が全焼し清太と節子は西宮の親戚のおばさんの家に居候します。二人が浜で遊ぶシーンがありますが、香櫨園浜がモデルになっています。

川のほとりを歩いているシーンもありますが、香櫨園浜につながっている夙川沿いを歩いているのでしょう。

夙川河口付近の香櫨園浜の様子。右手に西宮市回生病院
西宮回生病院

現在は画像奥に埋立地があり映画のシーンのように海が続いているわけでありませんが香櫨園浜、夙川、回生病院など映画のシーンと構図が一致していますね。清太と節子はこの香櫨園浜で遊んでいたのでしょう。

回生病院は清太と節子の母親が入院していたとされる場所。手前の建物はもうなくなっており、雰囲気はだいぶん変わっています。

香櫨園浜の様子①
香櫨園浜の様子②

西宮砲台

余談ですが香櫨園浜には国指定史跡である『西宮砲台』もあります。

江戸時代末期(幕末)に建築された西宮砲台は、実際に使用されることはなかったようですが歴史を感じる建造物です。

西宮砲台の周りはフェンスで囲まれており、もちろん内部に入ることはできませんがその周囲から自由に見ることができ、長きに渡り今もひっそりと香櫨園浜に存在しています。

近くで見るとけっこう迫力があります。

西宮砲台①
西宮砲台②
西宮砲台③
西宮砲台
西宮砲台は、幕府が文久三年(1863)から慶応二年(1866)にかけて築造した台場である。現在も残る石塔は、和田岬台場と共に国内でも貴重な史跡である。

『火垂るの墓』でも登場する夙川の風景

夙川①
夙川②

香櫨園浜より少し北に行き夙川を撮影しました。清田と節子もきっとこの辺りを歩いたのでしょう。

『火垂るの墓』は放送禁止なのか??

さて、今回の記事の本題である『火垂るの墓』はテレビで放送禁止なのか?について書いていきたいと思います。

僕が一番最初に『火垂るの墓』を見たのは小学校2年生の時です。今でもその時の衝撃は大きかったので鮮明に覚えており、当時通っていた小学校の視聴覚室で見ました。

戦争に関しての話は僕も母親の祖父母からよく聞かされました。

祖母も香櫨園浜に海水浴に行った時の話をしていました。電車賃が片道分しかなく頭では帰りに乗ったほうがいいことはわかってはいるものの、子どもの早く海に行きたいという衝動が抑えられず結局行きに電車を利用することに。

帰りはくたくたになりながら歩き、途中でお腹をすかし畑になっているトマト(確かトマトだった)をくすねて食べていると畑主に見つかり慌てて逃げたというお話。

清太と節子と同じ時代、同じ場所で暮らしていた祖父母。もしかしたら清太、節子とも会っていたかもしれません。

『火垂るの墓』直近の地上波での放送は2018年

夏になる地上波で放送されていたイメージがある『火垂るの墓』ですが、一番直近で地上波で放送されているのは2018年です。

ただ、これは『火垂るの墓』の監督・脚本を務めた高畑勲さんの追悼の意を込めて放送されたもので放送された時期は8月ではなく4月でした。

ですが、直近で2018年に地上波で放送されていますし噂にあるような「放送禁止」というわけではなさそうです。

放送禁止ではなく視聴率低下が原因?!

地上波は当然のことながら、その番組にスポンサーがついて成り立っています。つまり、視聴率が低ければ当然放送する意味を失うことになってしまいます。

1989年以降地上波で放送されている『火垂るの墓』ですが、1989年の放送では20.7%と高視聴率を記録。

その後も数年おきに放送されており、2005年までは常時視聴率10%を超えていましたが2007年以降は視聴率10%上回る年はなく、2018年は視聴率6.7%と過去最低視聴率まで低下しています。

その前に放送されたのは2015年まで遡ります。その時の視聴率は9.4%で、これで3回連続視聴率10%に届かず。2016年と2017年は放送されなかったわけですね。2018年も追悼の意味合いが大きかったので、高畑勲さんがお亡くなりになっていなければ放送されていなかった可能性が高いです。

やはり地上波で放送されなくなったのは視聴率低下が原因でしょうか。

原因として、戦争を体験した世代が少なくなり、戦争を知らない世代が多くなったことにより、興味・関心が薄れてきている。また、戦争中の生々しい描写も多く含まれており、子ども達に見せる映画として好ましくないという意見もあるようです。

『火垂るの墓』に登場するサクマ式ドロップスが原因?

もう一つサクマ式ドロップスの商標権問題が原因であるという噂もあります。ですが、こちらは『火垂るの墓』とタイアップした商品も販売されていますから、ただの噂に過ぎないと判断できます。

『火垂るの墓』は放送禁止ではなく、視聴率低下による放送見合わせが原因だと考えられます。

まとめ

さて、今回は『火垂るの墓』が地上波で放送禁止なのかどうかについて調べてみましたが、どうやら放送禁止ではなさそうです。

賛否両論あると思いますが、個人的にはやはり地上波で放送してほしいなぁと思います。そうすることで少しでも子どもたちに、戦争を知らない世代に「戦争とは何か?」ということを感じ考えてもらえるきっかけとなってくれればと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

タイトルとURLをコピーしました